あれは私が20代前半だった頃のことです。付き合って3年になるバンドマンの彼氏のアパートでアクシデントがあり、急きょ転居するためお金が必要になりました。

愚かな私は彼にいい顔をして自分の口座から引き出すように見せかけて、恐る恐る武富士で借金していました。

必要金額は35万円。社会経験も浅く若年だったので、まさか全額貸して頂けるとは思いませんでしたが、どうしても急いでいると事情を説明したところ、一度10万円ほど借りて、それを月末に返せば、増額して差し上げる...と提案してくるではありませんか!

私にはとにかく彼を助けることしか頭になくて、教えられた通りの手順をし、増額を申請しました。そうして2週間後に手にしたお金は40万円。

そう、希望額以上のお金だったんです。40万円もの大金を借りることがどういうことか、最終的にいくら支払うのか、若気のいたりといえば聞こえはいいですが、愚かな私はまったく心配していませんでした。

最悪の場合でも、毎月2万円程度の返済を怠らなければ、誰にも迷惑をかけることもないのだから、そんなの余裕だわ!なんて甘い考えでいました。しかしそれは地獄の始まりでしかありませんでした。

彼にまるごと40万円を託し、一緒にアパートを探し、いつもの日常に戻ったつもりでしたが、平和な日々はやってきませんでした。もともと俺様な性格の彼が毎月末になると急に猫なで声で返済できないと言ってくるのです。

いよいよ我慢できなくなったある日「あなたのためにサラ金で借金までしたんだ」と奢った爆弾発言をしてしまったのです。彼は自分の借金を棚にあげ私がうそをついていたことを咎め、許せないといい、別れることになりました。

借用書も何もないので、借金は私が全部負うことになりました。別れ際にも格好つけてしまった私は、このことを誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまいました。

不眠の日が続き、朝起き上がれなくなり、食事がのどを通らなくなってきて、欠勤が続いたことで生活費も足りなくなり、今度は銀行系のキャッシングをしたのでした。

銀行系のクレジットカードを使ったキャッシングはとてもクリアなイメージでしたが、実際は高利でサラ金と変わりありません。高価なものを買ったり、旅行に行ったり、何一つ有意義な経験はないまま、気がついたら私の借金は100万円ほどに膨れ上がってしまいました。

最終的にアルバイトをいくつも掛け持ちし、死ぬ気で全額返済することができましたが、身も心もボロボロになりました。

長い人生の中でお金に関わるピンチって誰にもきっと何度かあるものだと思います。

しかし無いお金は使うことも貸すことも本当は出来ないのです。

そんな小学生でもわかるようなことをわからなくなってしまうことを恋は盲目というべきか否か?本当に高い勉強をしました。